2012/02/25

ワーホリ 語学学校の選び方

カナダに来て一ヶ月が経ちました。先週から語学学校に通い始めた。今年25になるのにまだ学生やらせてもらえるなんて、本当にありがたいことです。と言いますのも、恥を忍んで告白しますが、このたびの大冒険は家族からの資金援助を受けて実現したものであります。これで最後だから!これで最後だから!出世払いするから!(家族への私信)


そもそも語学学校に通うべきなのかどうか、ずいぶん悩みました。わたしは英会話には自信がないけれど、現にこうして無事カナダまで来れた事だしすぐにバイトを始めることもできなくはないのです。ここバンクーバーには日本食レストランや日系企業がいっぱいあって、英語が苦手でも比較的仕事は見つけやすいらしい。昔からなぜか英語の成績はよかったし、大学受験もしたのである程度の素地は持っているつもり。シェアハウスの住人も全員英語しか喋れないし、自然に生活する中で英語力を身に着けるのもいいでしょう。そのへんの人をつかまえて話し相手になってもらうのもいいでしょう。あるいはネイティブスピーカーと恋愛してみるのも悪くないでしょう。格安の会話サークルっていうのもある。言葉を喋ることは当然無料なのに語学学校に通えば月1000ドル(8万円弱)はくだらないわけで、悩みました。8万円ってこっちじゃ二ヶ月分の家賃だよ!学校に通うかどうかはわからないままとりあえず学校見学(トライアルレッスン)に行ってみることにした。無料。狭い地域に星の数ほどの語学学校が密集しているバンクーバー。犬も歩けば語学学校に当たる。ついでに語学学校を斡旋する留学エージェントも星の数ほどある。


ワーホリや留学を考えてるひとにこれだけは言いたいけど、もしあなたがネット検索を使いこなせて、「わたしの名前は○○です」を英語で言えるのなら、留学エージェントに高額な紹介料を払って何か手配してもらうのはオススメしないよ。インターネットさえあれば全部自分でできます。日本に事務所をかまえるエージェントは初回カウンセリングくらいは無料でしてくれるけど、そこから先は全てに手数料がかかります。「語学学校やホームステイ先、保険は日本から決めていくのが一般的です。おまかせください!空港までお迎えにあがります」とか何とか言って。パスポートとってビザとって航空券とって飛行機乗って電車乗って自力でダウンタウンまで来れれば、こっちの留学エージェントは基本的に無料です(住宅の斡旋や空港ピックアップは有料)。日本語でどんな事でも親切に相談に乗ってもらえます。語学学校なんて自分で直接申し込むより安くなったりします。なぜこんなことが可能なのか、無料より高いものなんてないんじゃないか、とわたしも最初は疑いましたが、こういったエージェントは学生に語学学校を紹介してあげた紹介料を学校のほうから受け取って運営されているのでアリなんだそうです。詳しいシステムは自分でググってね。何でも自分でググることから始まります。今の時代、情報は無料です。自分に何ができて、何ができないのか、お金を払う前によく考えたほうがいいのです。
だからって「行けば何とかなる」は通用しないよ!「多めにお金を払うことができる」のも立派な「できる」のうち。それにしても「学生/ワーホリビザ取得代行」(有料)とかひどいなー。ビザくらい自分で取れない人が海外で何をできるっていうんだろうか。


というわけで、日本からよくサイトを拝見していたエージェントさんにお世話になって5校ほど見に行きました。納得いくまで何校でも見学(授業に参加)可。大きな声では言えないけれど無料トライアルレッスンを数週間渡り歩いて帰国するってことも可能なんじゃないかしら…。
高校・大学受験の時は「合格した学校に行くしかないんだから学校見学なんて意味がない」と言って、入学式に初めて校舎を見たわたしですが、語学学校は絶対見学したほうがいいです。どこも似たり寄ったりだったけど一校だけかなり個性的な学校があって、そこの学校のデモ授業を受けてやはり語学学校に通おう、そしてこの学校にしようと決めました。この学校はスピーキングの専門学校で、フルタイム一日4コマ+補修授業が全部スピーキングレッスンに充てられています。お題についてまず学生がワーッと喋って、その後「あれじゃ意味が伝わらないからもう一度説明して」とか「言いたいことはわからんでもないけどその言い回しはかなり変だ。ネイティブならこう言うね」とかダメ出しをもらいます。わたしの英語こんなに間違ってたのか…と愕然。


そもそも言葉というのはコミュニケーションの道具であって、それこそ身振り手振りすればなんとか伝わるんだよね。「これ買いたい!ください!」たぶんこれくらいは誰でもどこの国に行っても伝えられるはず。でも「これ。ください りんご」って言って伝わったとしても、それだけじゃちょっと悲しい。言葉が好きだし、日本語でも馬鹿丸出しな喋り方はいやだなーといつも思っていたからね。今まで塾や予備校には一度も通ったことがなくて勉強はひとりでするものだという信念を持ち続けてきた。外国に住んでいてパソコンもあるんだから今度もひとりでできるかとも思ったんだけど、一ヶ月それやってみて「あ、こりゃダメだわ。これ一年続けても何も変わらない」と強く感じました。(この投稿の半分は家族への言い訳でできています)ビザの有効期限、一年間ってほんと短いからね。


そのスピーキングスクールを結局2ヶ月半受講してみることにしました。トライアルレッスンの時にレベルを見られていたみたいで、6クラスある中で一番上のクラスに入ることになった。5人のクラスメイトは全員「ペラペラだけどネイティブが聞くとたまに妙なこと言ってる人」ばかり。謙遜でもなんでもなく、わたしはほとんど「全く喋れない」といっていいレベルです。なにかの手違いか…?後から聞いた話だと、どうやらたどたどしくても基本的な文章の組み立て方はそんなに悪くない、という理由だったみたい。あと先生の気分と定員の都合。どこの学校でも「中の上レベル」くらいのクラスが一番混んでる。the lowest level student in the highest level class なぜか大学の英語クラスでもいつもこのポジションでした。ついていけないけど必死に食らいつくしかない。


ところで、語学学校を決めるときも当然受講者のクチコミをググろうとしたんだけど、これがまあ悪評が一切出てこないっていう。留学エージェントによる宣伝文句しか出てこない。しかも学校公式サイトも数年更新されてなかったりする。こんな高い買い物なのになぜ?!これは問題ですわ。複数の語学学校ハシゴっていうのはよくあることなので一度どっかに入学すれば生のクチコミが聞けるんだけど、最初の一校選びはほとんどギャンブル。「ここの前に行ってた学校、ほんとひどかった」って言う人、何人も知ってる。2週間通ってみてわたしはギャンブルに勝ったと確信しているけれど、少し予想外だったのはこの学校は今は日本人学生と韓国人学生しかいないということ。トライアルレッスンが完全にビジター向けのデモ授業だったからクラスメイトの様子がわからなかった。一応質問したんだけどここまではっきりとはねえ。人種比率は学校選びのひとつの要素。これは入学のタイミングによって変動するけど普通は見学に行けばすぐわかります。日本人が一人もいないクラスとか、いまブラジルが夏休みだからブラジル人ばっかりの学校も見た。外人がみんな英語喋れると思ったら大間違いで、ドイツ人やフランス人も英語を勉強しに来ています。正直クラスメイトは多国籍なほうが楽しいけれど、楽しさよりガッツリ勉強になる学校を選びました。イラスト入り教科書を使って基本的な文法事項を確認し、隣のひととペア組んで会話してみましょうみたいなの、もう必要ないと思って。「日本人がいない学校がいい!」って最初思ってたけど今は授業の質のほうが断然大切だと思う。

中1から10年間英語勉強してるのにいまだに冠詞(the, a)や三人称単数のsを毎日間違えて指摘されてます。アルファベットの次に習うアレだよ。わたしだけじゃなくて最上級クラスの全員が毎日間違えてる。テストなら絶対間違えないのに自分で文章作ろうとすると必ずどこか抜けちゃうのね。なくてもギリギリ意味は伝わるけど(全く伝わらない場合もたまにある)、そういう細かいことの積み重ねが言葉をダメにする。英語を使うということは常にモノの数と時制を気にすることだ。いくらペラペラでもネイティブは絶対間違いに気づいて「あれ?」って思ってるよ。


毎朝暗いうちに起きて学校行って、夕方帰って急いで夜ご飯と翌日の弁当の用意してその後ずっと勉強。土日に洗濯掃除買出し、勉強。高校、大学の時はバイトや遊びが忙しくて勉強なんてうわのそらだった。今は英語漬け。こんな贅沢は生まれて初めて。「生まれて初めて」が怒涛のように押し寄せてくる。こんなに幸福でいいものか、いつかつまずくんじゃないかと、それだけが不安。

2012/02/10

バンクーバーの本屋

そういえばこっちの本屋にまだ行ってないということに気がついたので、ネットである程度大きそうな本屋を調べて行って来ました。

【追記2015/07】Chaptersダウンタウン店は2015年6月をもって閉店してしまいました…!いやあ不況だねえ。

ダウンタウンでは他にBurrard駅直結の駅ビル、Bentall CentreにCoalesという小さなブックスタンドが入ってます。Waterfront駅前のHabour Centre(展望台のとこ)地下にはSFU Book storeがあってESL関係の本なんかはここで手に入ります。少し離れるとChaptersのBroadway x Grandville店やMetrotown店は健在です。

【追記2019/12】Robson St. にChapters (Indigo)の新旗艦店がオープンしました!1033 Robson St, Vancouver



【閉店】Chapters Robson×Howe店
788 Robson Street
Vancouver, BC


ダウンタウンのド真ん中にある三階建て大型書店。本だけじゃなくてセンスのいい文房具や雑貨なんかも置いてます。スターバックスも入っていて六本木のTSUTAYAみたいな雰囲気。
そういえば噂のTSUTAYA代官山、行けなかったな。出国前のバタバタに流されてしまった。

Mac検索機もあって便利。

わたしは熱心な読書家ではないので、背表紙を眺めてもよくわからない。映画本コーナーに直行。日本と同じでベストセラーは手前に平積みされています。スティーブ・ジョブズ伝記や『ドラゴン・タトゥーの女』、そしてその隣にはHaruki Murakamiがどどーんと君臨していました。人気あるのね。




スタトレに関する問題集。なんと2500問!答えられなきゃ恥ずかしいぞ!

スターウォーズ版もあった。
欲しかったけど今日のところは我慢した本。45ドルくらい

買った本1。学園映画の本
この背表紙を見て即買い。『Sixteen Candles』のゲディ・ワタナベ。

買った本2。ちょっとカタい映画評論小冊子。S・ジジェクについての記事が気になって。

Staff Picksのコーナーが大きい。店員が名前とコメント入りで推薦書を紹介。

広々した閲覧スペース。立ち読みってレベルじゃない

雑誌は幅広い専門誌がたのしい。ほとんど自費出版?みたいな小冊子も豊富にある
子供コーナー。

本の値段は日本と同じ。普通の単行本は1000円~1500円くらいで、うわ高そう!と思う本はそれなりのお値段。でも、本はどんな本でも安いと思う。拾い読みして、ひとつでも「へえ」と思うことができたら必ずモトはとれる。読破できるかどうかは関係ない。そりゃ読破できたほうがいいに決まってるけれど。
熱心な読書家ではないが、本屋のジャンル別品揃えはそこそこ気になる。この書店ではさきに載せた写真のBiography(伝記)コーナーが大きかったのが印象的。あとは日本と同じでビジネス書が場所をとっていた。もっとも興味のないジャンルの本である。そういえば日本の新書や文庫本みたいなのは見かけない。ペーパーバックは軽くていいけど、なんだか尻でも拭きたくなるような紙質は好きじゃない。こんな紙で13ドル?!中身の品質がよくてもわたしはいやだ。昔から藁半紙が大嫌いだった。こんな粗末な紙は尻を拭くものであって勉強するものではない、と。(実際尻拭いたら痛いけど。)日本の文庫本は大好き。ポケットに叡智が収まるなんて魔法のようだ。その上紙も装丁もよくて、持ち歩くだけでうれしくなる。中でも岩波文庫は最高。なんだか急に岩波文庫が恋しくなった。あんなにコンパクトなんだから一冊でも持ってくるべきだった。自宅の本棚が恋しい。


今日もまた、山ほど食材を買い物して帰る。夜ご飯は鶏肉とマッシュルームのクリームソテー。最近肉じゃが、筑前煮、きんぴらと甘辛い和食が続いたのでフレンチ的なものに挑戦。簡単でおいしい。キリっと冷えたカナダワインと一緒に。しかしすっかり主食を忘れていた。米は合わない。頬を切るような鋭利なバゲットとエシレのバターがあれば最高なのになあ。


セロリのナムル。多めに作っていつでもビールのつまみに。

歩けないけれど、デスクで勉強するときに履こうと思って買ったルームシューズ。


月曜から2ヶ月半、語学学校に通うことにした。泣くほど忙しくなる予感。嵐の前の静けさ。

2012/02/06

明日は料理王

もう24歳なのに料理をしたことがただの一度もない。どうしてこんなことになったのかわからないが、とにかく一度もない。それを自慢できる年頃はとうに過ぎた。24になって林檎も剥けない女は一言、ただの欠陥品である。


そこで、というわけでもないけれどカナダに来て自炊を始めた。わたしというのは本当に追い詰められないとテコでも動かない人間である。追い詰められたので自炊を始めた。
一人分の食事を自炊するのはかえって非経済的だと思っていたけれど、ここでの外食費は思いのほか高い。税金とチップが高いからね。そして何でも量がイカれていて、4分の1食べられればいいほうだ。残りは包んでもらって明日の夜まで毎食同じものを食べるはめになる。ピザ屋とバーガー屋はそこら中にあって、すし屋もそれと同じくらいよく見かける。あとなぜかベトナムフォー屋も多い。移民の国なので各国料理が何でも簡単に食べられる。しかし相変わらず一緒に食事する友人がいないのでレストランに入れず、選択肢はファストフードだけになる。そういえばこちらには気軽に買えるスーパーのお惣菜みたいなものがあまりない。コンビニにはお惣菜は売ってない。わたしが住んでいるところはダウンタウンからは遠く離れた閑静な住宅街で、さらに選択肢は狭くなる。これだけ追い詰められて初めて重い腰をあげる。


シェアハウスで生活に必要なものは何でもあるとはいえ、油も砂糖も塩もない。「何でも」というのは鍋や包丁やまな板のことだったのだ。初期投資資金はそれなりにかかるけれど、だんだん買い揃えている。これは食費ではなく学費にカウントすべきであろう。次に欲しいのは小麦粉。言うても短期滞在者、今の家にどれくらいの期間住むかわからないし、学校に通い始めたら自炊する暇なんかなくなるかもしれないので買い物には注意深くなる。油でも砂糖でも塩でも、これまたいちいち単位が狂ったようにデカいのだ。ケチャップや酢はあまり好まないので必要な時はハンバーガー屋に置いてある個装を拝借。食材は店によって値段が驚くほど違うのでノートにメモを取って一番安いところで買う。チラシもチェック。うちの大家がめちゃくちゃケチなのでセール情報に詳しい。「今日チキン安かったで!バス乗ってでも行く価値あるで!」って教えてくれる。ダウンタウンに住んでる人ってどこで買い物してるのかしら。何でも高いね、都会は。こっち来るとだいぶ安いよ。少なくとも橋は絶対に渡るべき。一番おすすめなのは4th avenueの西側、jerichoのほうにあるPaul's no frills alma店。ダウンタウンからでも7番バスですぐ。長年住んでいる大家が口スッパく「no frillsはチェックしたのか」と聞くので間違いないと思う。IGA?とんでもない!ありゃ日本でいう紀伊国屋だ。


料理ができないくせに味にはめっぽううるさい。味にはめっぽううるさいので、いい料理人になる素質はなくはないと前から思っていた。しかし目の前に置いてあるキャベツ一玉を見てこれをいったいどうしたらいつもレストランで食べているキャベツの状態に持っていくのかがわからない。はがすの…?洗うの?縦に切るの?横?芯は?冗談のような話だけれど本当に見当もつかない。万事この調子。こんなこともあろうかと日本の本屋で一番初級者向けの料理本を探して買ってきたのだ。同じような人間は一定層いると見えて、このテのビギナー本はけっこうな種類があった。
しかしこの本の気に入らないのは、突然豆板醤やオイスターソース、白ワインビネガーが登場するところだ。料理初心者がこんなものを持っているはずがなかろう。料理初心者とはいえ、料理初心者の陥りやすい失敗はなんとなくわかる。本の通り作ろうとしてわけのわからないスパイスや野菜をどんどん揃えて、他に使い道がなく余らせるというアレでしょう?想像するに、毎日自炊するとなればリレーのように上手に食材を繋げて使い切っていくべきなのだ。冷凍保存という手もある。リレーチームの調和を乱すいささか珍奇な食材を手なずけるのは、ずっと先の話。それくらいはわたしにもわかる。


以下、作った料理の一部を時間順に並べてみる。これだけの短期間でなかなかの上達が見られるではないか。極端な性格なので今は一日中料理のことだけを考えている。じょじょに英語の勉強モードに移行していかないとそのうち調理師免許が欲しいとか言い出しそう。何のためにカナダまで来たのだ。


記念すべき人生初料理、豚肉とブロッコリーの炒めもの、アンチョビ風味。
この時オリーブオイルしか持ってなかったので全てがペペロン風だった

サラダ油と酒、みりん、醤油を手に入れたので生姜焼き。
キャベツの千切りがこんなに難易度高いとは…
豚肉に飽きて冷凍むきエビを買ってみた。ごま油もゲットしたので青梗菜と炒めて中華系に持っていく試み。
これでもかというほど生姜を投入したらムセた

またエビ。さらに片栗粉をゲットしたのでトロミをつけようとしたら失敗してダンゴ状に。
しかしエビは解凍してから酒でもみ洗いするという事をネットで学んだ

パスタに目覚める。味はそんなに悪くないがとにかく量が多い。

生まれて初めて米を炊いた。炊飯器がポンコツなので普通の鍋で。完璧にできて感動。
まとめて炊いて一食分ずつ冷凍保存だっ

牛ひき肉のそぼろ。弁当にも使えそう。おふくろの味。これも冷凍保存だっ。
本当は炒り卵も一緒に作りたかったけど卵は1ダースが最小単位なので手が出ない。一週間卵ばかり食べ続けるのはそれなりの覚悟が必要だ。

鶏肉と蓮根(rotus root)のペペロンソテー。
近所にアジア人経営のグロサリーが3軒あり、エスニック食材は割と手に入りやすい

クリームパスタにチャレンジ。バターとチーズがないのでコクがない。
片栗粉で強引にトロミをつける

昨日の晩作った鶏肉と蓮根のペペロンソテー(©オレンジページ)のバトンを受け取って、明日は煮物を作ってみようと思う。今日にんじんといんげん、干し椎茸を買ってきた。ごぼうが見つからず。
そのまた次は、ついに肉じゃがにを作ろう!憧れの肉じゃが!!!!!これでわたしもモテ放題。


さて、ここでわたしに食育をほどこした夜のビストロバイトのマスターに感謝の意を表したい。あの店で出会ったグルメな友達、素敵なお客さん方にも。料理のカンみたいなものは全てここで養った。イエーイ読んでる?おかげさまで美味しいものしか食べられない舌になったよ!どうしてくれる!

2012/02/05

Enchantment Under the Sea


もう観た作品でも見逃していた作品でも、スクリーンで観る映画体験は特別。映画は小さい頃から割と好きだったけれど、レンタルビデオやなんならテレビで観れる作品をわざわざ高いお金を払って映画館で観るという発想はなかった。今は一度劇場で観てよかった作品は上映しているうちに何度でも行っておきたいと思う。お気に入りの作品がリバイバル上映されるなら少し足を伸ばしてでも観に行くよ。今は正直、おもしろいかどうかわからない新作よりも、おもしろいということがわかっている旧作を観に行きたいと少しだけ思う。映画ファン失格かしら。


日本で大手シネコンチェーンTOHOシネマズが午前10時の映画祭(通称朝10)をやっていてすごくいいと思ったけれど、その反面シネコンが名画座の役割を兼ねてしまうと名画座は役目がなくなってしまうという問題がある。ていうか朝10って学生ワンコイン料金を設けているけど学生は朝10時に劇場来れないよね。時に映画館は教室になるけれど、しょっちゅうは無理だ。それは不良だ。
まあ、それはともかくとして、昨年秋に朝10で上映された『バックトゥザフューチャー』を弟と一緒に観に行った。弟は本当に物心ついた頃からこの作品をオールタイムベストだと言っていたので迷わず彼を誘ったのだ。吹き替え台詞も完璧に諳んじている。いつか家で一緒にDVDを観ていたときに、デロリアンが最初に出てくるシーンで「みて…この鳥肌!」と言われて見たら本当にすごい鳥肌だった。彼はこの映画を100回観てもなおデロリアン登場に興奮して鳥肌を立てているのだった。1990年生まれの彼が知っているのは、しかしテレビモニターの中の『BTTF』だけだ。これは大スクリーンで見せたら大変なことになるぞとほくそ笑む姉。六本木TOHOの中でも一番大きい7番スクリーンでかかる日を狙った。
弟がどう感じたかはわからなかった。楽しんでもらえたならいいけれど。


それから約半年、姉はまたスクリーンで『BTTF』を観る機会に恵まれた。今度は一人、異国の地。一人も知り合いのいない街。カナダのシネコンを中心に企画されたFront Row Centre Events presents the Great Digital Film Festival 2012 というデジタルリマスター版名作上映シリーズ。日曜午後とはいえ、巨大スクリーンがほぼ満員になっているのを見た時点でけっこうグっときてしまった。この企画で上映される作品の予告編(すばらしいセレクション!)に続いて劇場スタッフによる挨拶。ポスターのプレゼントをかけた早押しクイズで一気にHOOOOOOOOと盛り上がる。クイズはこちら: What is the name of Marty Mcfly's band? (劇中で主人公マーティが所属するバンドの名前は?)答えはこちら(ドラッグして反転表示):【The Pinheads】わかりましたかな?お恥ずかしながらわたしわかりませんでした。弟ならポスターをゲットできたかも。


続いて短編ドキュメンタリーBack to the Future on Bushnell Avenue (John McDonald監督、2011)の上映。





ジョージ・マクフライが木に登ってpeeping tom(覗き見)していたところ、転落して車に跳ねられる現場。後に妻となるロレインと出会うきっかけになる、重要なシーン。ここはアメリカ カルフォルニア州ノースパサディナのBushnell Avenueというところで、BTTFファン巡礼の地となっているらしい。他にも『アダルト♂スクール OLD SCHOOL』(2003)『ゴースト・パパ Ghost Dad』(1990)『悲しみよさようならWelcome Home Roxy Carmichael 』(1990)などのロケ地でもあるそうです。世界中から訪れたBTTFオタクが目を輝かせ、映画の場面を再現してみせる様子、そしてそれに対するまわりの観客のリアクションを肌で感じ思わず熱いものがこみ上げてくる。ドキュメンタリーの中のファンの台詞「One movie can change one's life(一本の映画が人生を変えることがある)」を噛みしめつつ、本編へ。劇場は拍手喝采、再びHOOOOOOOOOOO!!!ジョージが「アッアッアッ…」と笑うところで大爆笑。いつも弟が真似していたのを思い出す。「1.21ジゴワット」って台詞はみんな声を出していた。上映後には、なんとスタンディングオベーション。何度観ても発見がある作品。完璧な脚本、絶妙な間、ユーモア、役者の表情、キャスティング、画の見せ方、テクニカラーの色彩。そんなことよりもっと大切なのは胸の高揚。わたしの高揚は、大切な誰かの、あるいは知らない誰かの高揚。地球の裏側で言葉も通じない人たちが同じ映画を観てドキドキしたり笑ったり泣いたりしている。映画は、まるで共通の友人のようだ。自分の幼馴染が、異国の地で出会った知らない誰かの幼馴染だったらビックリするでしょう?家でDVDで観ていたらもったいない。街へ出よう。5.99ドル(約460円)で人生は変わる。いつか映画に恩返しできたらいいと思う。

2012/02/03

ピロートーク

24年間一度も自分の部屋を持ったことがないので、うれしくてうれしくて仕方がない。いいかげん大きくなるまで小さな1Kを3人でシェアしていて、弟がシャレにならないくらい大きくなった時に隣の部屋に移したけど相変わらず母と二人で住んでいたからね。物心ついたときには子供部屋があって、そのまま家賃も払っていないのに個室が与えられていたのなら、あなたはブルジョアだ。王子様かお姫様である。幼少時、図書館から帰ったわたしはいつも凍える玄関で耳栓をして勉強していた。それでも電気をつけると家族が起きてしまうから夜遅くなったら空のバスタブの中で勉強したこともあった。文字通り蛍の光、窓の雪である。2枚の布団に大人が3人ジグザグに"気をつけ"の姿勢で眠る。弟に髪を踏まれて目が覚める。食事はパソコン台の上。(それでもなお都心に生まれ育ったことに意味があるとわたしは思っているけれど、都心ですてきなおうちに住んでいる人もたくさんいるのだ。)しかし無料なので文句は一度も言わなかった。いやなら出て行けばいいだけの話。
自分の部屋があれば何時に起きても何時に寝ても誰も何も言わない。これはちょっとした異常事態。


そんなわけで自分の部屋を持った暁には好きなもので埋めつくしてめちゃくちゃカワイイ部屋にしよう、好き勝手暴れよう(室内で)と幼いころからずっと夢見ていた。2010年ハワイ旅行で買って、いつか夢が叶ったら封を開けようと飾ってあったtokidokiの枕カバーもわざわざ連れて来たのだ。それに合わせてシーツや掛け布団を揃えた。これは日本でもカナダでもどこでも一緒だけど、インテリアや寝具というのはこだわらなければいくらでも安いものがある。洋服や鞄とは違って、安くたって機能的にはさして劣らない。とくに来客のない部屋ならばなんだっていいのだ。自分の寝床に人を招くのはわたしの趣味でないので、安けりゃなんでもよさそうなものだが、洋服や鞄と同じようにかわいらしければそれだけで自分が気分よくいられる。いい気分がお金で買えると思えばこんなに安いものはない。なんて言ったらどんな高いリネン、家具を揃えたんだってかんじだけど5000円くらいでかわいい部屋になりました。枕、シーツ、掛け布団、クッション。枕カバーはだから、昔買ったもの。たしか30ドルくらいだった。この枕カバーを中心に部屋全体のコーディネートを考るとすると、シーツや掛け布団は絶対に濃い色、それも黒か紫がいいと思っていた。寝具というのは寝具であるからして淡い色のものが多いのだ。探すのに苦労した。写真だとピンクが強いが実際見るともう少し紫に近い色。


大好きなtokidokiちゃんと一緒に眠れる幸せ。

引っ越したなら何はともあれIKEA(アイケアと発音する)といきたいところだが、わたしが住んでいるバンクーバー周辺のIKEAはリッジモンドといって少し遠いところにある。東京も同じだね、ああいうものは郊外にあるのだ。それで、Zellers(ゼラーズ)というイトーカドー的大衆百貨店に行ってみた。以前Sears(シアーズ)をイトーヨーカドーと呼んだが、あれは間違いで、Searsはもう少し高級なかんじだ。Zellarsは生活用品全般…服、家具、工具、日用品、それにスーパーやドラッグストアも兼ねていて、全体的に安くなっている。そこでこれだ!という理想的な紫色のシーツセットを見つけたのだが、これが$49.97(今日のレートで3853円)もする。いくらなんでも高すぎやしないか。しかしセットだから仕方ない。


セットってことはシーツも掛け布団も全部おそろいにできるんだな。しかしわたしはわりと用心深い。サイズはダブルベッド用、たぶん大丈夫だろう(こっちではダブルベッドが普通みたい)。セットに含まれているのはtwo pillow cases、使わないだろうけどまあいいか。そしてone fitted seet、ふむ、これがシーツね、そしてone flat sheet、ふむ、これは…これはシーツ?なんでシーツ二枚?どちらかが掛け布団カバーなんだろうか。
…。…。よくわからなくなったので保留にして帰宅。家でググったところすごい事実が判明。なんと欧米でいうsheets setというのは一般的に枕カバーとシーツ2枚のセットのことらしい。というのも、掛け布団はシーツと違う色のほうがオシャレだかららしい。なんじゃそら!マットレスのカバーでゴムがキュキュっと入っているものがfitted sheet、その上に敷くいわゆるシーツらしい一枚布をflat sheetと呼ぶ。敷くというか、fitted sheetとflat sheetの間に挟まって寝るのだ。だから掛け布団カバーは要らない。ホテルのベッドメイクを思い出すとわかる。 シェアハウスから支給された地味なシーツも2枚あるのなんで???って思ってたけどそういうことだったのか。ベッドを構成する要素はまだまだあって、凝りだすとキリがない。枕やクッションは多ければ多いほどいいみたい。
  • bed pad: マットレスとシーツの間に敷くパッド。マットレスが汚れないようにする
  • bed skirt: マットレス下方~ベッドの足元を隠すためのシーツ
  • duvet、conforter、blancket: 掛け布団
  • cover、sham: カバー
  • bedspread: キルトだったりする。ベッドの最上層にかぶせると見た目がオシャレ
  • foot throw: ベッド最上層、足元に敷く細長いランナー。もとは欧米人が靴のまま寝転んだときに布団が汚れないようにするためのものだが、単にオシャレ。
もともと布団派なので全てどうでもいい。干せないなんてありえない。なんという欠陥品だろうか。やはりJapanese Futonは最高。


話を戻すと、結局その39ドルもするsheets setは買わないで済んだ。似たようなものが別のZellers店舗にてわずか19ドルで見つかったのだ。欲しくて欲しくて何度も手に取ったが、粘って探した甲斐があった。似た色のconforterも安く買えて満足。今日は他にもいい買い物ができて非常に満足。以下、戦利品。
写真を撮ってないけどノースフェイスの子供用寝巻きも買った。

例のWINNERSでわたしに買ってもらうのを待っていたtokidokiちゃんの鞄

クローゼットオーガナイザー。これで収納上手

bath and bodyworksのお花。コンセントに繋ぐといいにおいが出る


同居しているシェアハウスのオーナー(推定60代、推定カナダ人、確定男性)がちょっと病的な神経質なので部屋はとても片付いている。いくらなんでもわたしの部屋には入ってこないけれど、自然とそうなるものだ。バスルームやキッチンなどの共同スぺースに髪の毛一本、米粒ひとつ残そうものなら即効呼び出しがかかる。電気の消し忘れ、換気扇のつけ忘れ、物の適正な位置、機械の取り扱い、リサイクルゴミの分別もくまなくチェックされる。こういうのが苦手な人ならとっくに参っているレベルだが、わたしも自称神経質の端くれとして負けるわけにはいかないのだ。神経質の日加代表が日々熾烈な戦いを繰り広げている。