2012/02/03

ピロートーク

24年間一度も自分の部屋を持ったことがないので、うれしくてうれしくて仕方がない。いいかげん大きくなるまで小さな1Kを3人でシェアしていて、弟がシャレにならないくらい大きくなった時に隣の部屋に移したけど相変わらず母と二人で住んでいたからね。物心ついたときには子供部屋があって、そのまま家賃も払っていないのに個室が与えられていたのなら、あなたはブルジョアだ。王子様かお姫様である。幼少時、図書館から帰ったわたしはいつも凍える玄関で耳栓をして勉強していた。それでも電気をつけると家族が起きてしまうから夜遅くなったら空のバスタブの中で勉強したこともあった。文字通り蛍の光、窓の雪である。2枚の布団に大人が3人ジグザグに"気をつけ"の姿勢で眠る。弟に髪を踏まれて目が覚める。食事はパソコン台の上。(それでもなお都心に生まれ育ったことに意味があるとわたしは思っているけれど、都心ですてきなおうちに住んでいる人もたくさんいるのだ。)しかし無料なので文句は一度も言わなかった。いやなら出て行けばいいだけの話。
自分の部屋があれば何時に起きても何時に寝ても誰も何も言わない。これはちょっとした異常事態。


そんなわけで自分の部屋を持った暁には好きなもので埋めつくしてめちゃくちゃカワイイ部屋にしよう、好き勝手暴れよう(室内で)と幼いころからずっと夢見ていた。2010年ハワイ旅行で買って、いつか夢が叶ったら封を開けようと飾ってあったtokidokiの枕カバーもわざわざ連れて来たのだ。それに合わせてシーツや掛け布団を揃えた。これは日本でもカナダでもどこでも一緒だけど、インテリアや寝具というのはこだわらなければいくらでも安いものがある。洋服や鞄とは違って、安くたって機能的にはさして劣らない。とくに来客のない部屋ならばなんだっていいのだ。自分の寝床に人を招くのはわたしの趣味でないので、安けりゃなんでもよさそうなものだが、洋服や鞄と同じようにかわいらしければそれだけで自分が気分よくいられる。いい気分がお金で買えると思えばこんなに安いものはない。なんて言ったらどんな高いリネン、家具を揃えたんだってかんじだけど5000円くらいでかわいい部屋になりました。枕、シーツ、掛け布団、クッション。枕カバーはだから、昔買ったもの。たしか30ドルくらいだった。この枕カバーを中心に部屋全体のコーディネートを考るとすると、シーツや掛け布団は絶対に濃い色、それも黒か紫がいいと思っていた。寝具というのは寝具であるからして淡い色のものが多いのだ。探すのに苦労した。写真だとピンクが強いが実際見るともう少し紫に近い色。


大好きなtokidokiちゃんと一緒に眠れる幸せ。

引っ越したなら何はともあれIKEA(アイケアと発音する)といきたいところだが、わたしが住んでいるバンクーバー周辺のIKEAはリッジモンドといって少し遠いところにある。東京も同じだね、ああいうものは郊外にあるのだ。それで、Zellers(ゼラーズ)というイトーカドー的大衆百貨店に行ってみた。以前Sears(シアーズ)をイトーヨーカドーと呼んだが、あれは間違いで、Searsはもう少し高級なかんじだ。Zellarsは生活用品全般…服、家具、工具、日用品、それにスーパーやドラッグストアも兼ねていて、全体的に安くなっている。そこでこれだ!という理想的な紫色のシーツセットを見つけたのだが、これが$49.97(今日のレートで3853円)もする。いくらなんでも高すぎやしないか。しかしセットだから仕方ない。


セットってことはシーツも掛け布団も全部おそろいにできるんだな。しかしわたしはわりと用心深い。サイズはダブルベッド用、たぶん大丈夫だろう(こっちではダブルベッドが普通みたい)。セットに含まれているのはtwo pillow cases、使わないだろうけどまあいいか。そしてone fitted seet、ふむ、これがシーツね、そしてone flat sheet、ふむ、これは…これはシーツ?なんでシーツ二枚?どちらかが掛け布団カバーなんだろうか。
…。…。よくわからなくなったので保留にして帰宅。家でググったところすごい事実が判明。なんと欧米でいうsheets setというのは一般的に枕カバーとシーツ2枚のセットのことらしい。というのも、掛け布団はシーツと違う色のほうがオシャレだかららしい。なんじゃそら!マットレスのカバーでゴムがキュキュっと入っているものがfitted sheet、その上に敷くいわゆるシーツらしい一枚布をflat sheetと呼ぶ。敷くというか、fitted sheetとflat sheetの間に挟まって寝るのだ。だから掛け布団カバーは要らない。ホテルのベッドメイクを思い出すとわかる。 シェアハウスから支給された地味なシーツも2枚あるのなんで???って思ってたけどそういうことだったのか。ベッドを構成する要素はまだまだあって、凝りだすとキリがない。枕やクッションは多ければ多いほどいいみたい。
  • bed pad: マットレスとシーツの間に敷くパッド。マットレスが汚れないようにする
  • bed skirt: マットレス下方~ベッドの足元を隠すためのシーツ
  • duvet、conforter、blancket: 掛け布団
  • cover、sham: カバー
  • bedspread: キルトだったりする。ベッドの最上層にかぶせると見た目がオシャレ
  • foot throw: ベッド最上層、足元に敷く細長いランナー。もとは欧米人が靴のまま寝転んだときに布団が汚れないようにするためのものだが、単にオシャレ。
もともと布団派なので全てどうでもいい。干せないなんてありえない。なんという欠陥品だろうか。やはりJapanese Futonは最高。


話を戻すと、結局その39ドルもするsheets setは買わないで済んだ。似たようなものが別のZellers店舗にてわずか19ドルで見つかったのだ。欲しくて欲しくて何度も手に取ったが、粘って探した甲斐があった。似た色のconforterも安く買えて満足。今日は他にもいい買い物ができて非常に満足。以下、戦利品。
写真を撮ってないけどノースフェイスの子供用寝巻きも買った。

例のWINNERSでわたしに買ってもらうのを待っていたtokidokiちゃんの鞄

クローゼットオーガナイザー。これで収納上手

bath and bodyworksのお花。コンセントに繋ぐといいにおいが出る


同居しているシェアハウスのオーナー(推定60代、推定カナダ人、確定男性)がちょっと病的な神経質なので部屋はとても片付いている。いくらなんでもわたしの部屋には入ってこないけれど、自然とそうなるものだ。バスルームやキッチンなどの共同スぺースに髪の毛一本、米粒ひとつ残そうものなら即効呼び出しがかかる。電気の消し忘れ、換気扇のつけ忘れ、物の適正な位置、機械の取り扱い、リサイクルゴミの分別もくまなくチェックされる。こういうのが苦手な人ならとっくに参っているレベルだが、わたしも自称神経質の端くれとして負けるわけにはいかないのだ。神経質の日加代表が日々熾烈な戦いを繰り広げている。

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